アトリエを拠点に、日本中でさまざまな目的にあわせて装花を手がける布山さん。もちろんアトリエでは花束のオーダーも可能です。季節とともにあることが花の面白さだといい、そのたのしみを通じ、生活に根づいた花を届けたいといいます。 「近頃、花が幅広い世代に人気を集めているのを実感しています。これからも気軽に、そして日常的に楽しんでいただけるようになってほしいですね。そのために私が感じているのは、まずケアがハードルにならないこと。いろいろな花を仕入れてはスタッフとともに持ち帰り、私たち自身が自宅でも楽しみながら、体験とともにケアについても話し合います」 強そうに見える花が実は繊細で、繊細そうに見える植物が実は強く……と、花には思いも寄らない特徴があるものと布山さん。また花にたっぷりの水をあげるのがいいと誤解されがちですが、実は少ないほどもちが良いともいいます。

今回、『Armor Lux』のために制作してくれたのは秋の花束。色や花材は秋らしさを演出するため、枝もの、実ものを取り入れながら、ボルドーの色づかいまとめたと布山さんはいいます。赤い花はハイビスカス、実が生るのはイガナスとベルベットビーン。 「無理をせず、奇もてらわず、季節にあった花材を仕入れるようにしています。私の花束はどちらかというとジャンルレス。季節感、色彩、素材の調和を大切にしつつ、セオリに―とらわれない花の楽しみ方を提案したいですね。野菜と同じで、花のなかにはたった二週間ほどしか出回らないものも。そんな花材の色や素材を取り入れて、そのときに作れる花束を考えました」

『Armor Lux』のシャツに袖を通した感想を尋ねると、まずボーダーシャツが新鮮だと布山さんはいいます。それは「これまでボーダーのシャツは一枚ももっていなかった」から。ゆったりとしたシャツ同様、ゆったりとしたシルエットのワークパンツに合わせ、花を機敏に束ねていく布山さんとよく合います。 「今回は黒のボリュームが多い一枚を選びました。柄が強いボーダーをうまく着こなせる自信がなくて、これまで敬遠していたんです。けれど実際に着てみると、いろいろな服と組み合わせてみたくなりますね」 ニュートラルなシャツだからこそ、さまざまな季節の衣服とともに楽しむことができるもの。それはまさに、布山さんの花束づくりと重なるものかもしれません。季節の花材とともに、通年楽しめる花材のようなシャツ。それがボーダーシャツの魅力と言えそうです。またゆったりとしたシルエットで、襟の開き具合、幅広のアームホール作業もしやすいと布山さんは続けます。